公開日: 2025年11月25日 / 更新日: 2025年11月21日 / 読了目安: 5分
“中間地点”で集まれる温泉ウエディング。両家が遠方でも温泉地をハブにする結婚式設計

両家の実家が離れていたり、ゲストが全国各地から集まる場合、会場選びは「アクセス」と「宿泊」の同時解決が鍵になります。ここでは、石川県(新郎)×長野県(新婦)のご夫婦が、石川・山代温泉「みやびの宿 加賀百万石」をハブにして130名規模の結婚式を実現した実例をご紹介します。ポイントは、移動負担の最小化と費用の“ならし”設計、そして館内完結のオペレーションです。
ゲストが集まりやすい“中間地点”という考え方
おふたりは同じ大学で出会い、現在は長野在住。共通のご友人も多く、招待リストは100名を超えました。はじめは新婦実家に近い軽井沢のホテル婚を検討されましたが、100名規模で800万円超の見積もりに。「参加者の宿泊を別手配」「宴会場の大きさ」「二次会の可否」などの条件を詰めるほど、負担やコストが膨らむ課題が見えてきました。
そこで視点を変え、新郎実家のある石川の温泉地=山代温泉を“中間地点”として設定。新幹線・飛行機・自家用車いずれの導線でもアクセスでき、宿泊・挙式・披露宴・二次会までを一体化できる大型旅館を候補に。結果、130名という大人数でも混み合わず、ゆったり過ごせる開放感とおもてなしのバランスが取れた「みやびの宿 加賀百万石」に決定しました。
宿泊を“引出物”に置き換える——体験ギフトで満足度を底上げ
今回の結婚式では、引出物の代わりに宿泊をプレゼント。遠方から来るゲストにとって、会場と同じ宿に泊まれる安心感は大きな魅力です。品物を贈る代わりに、温泉一泊ご招待という“体験”を贈る。移動の心配もなく、ゲストみんなでゆっくり過ごす”体験型ギフト”は世代を問わず喜ばれます。
なお、交通費はゲスト負担で事前案内。宿泊が付くこと、館内完結で滞在価値が高いことを丁寧に伝えることで、費用負担のバランスについて納得感を得やすくなりました。
“ならし料金”で見積りの不安を解消
大人数での宿泊では、部屋割りや年齢構成が未確定のまま旅館を選ぶことが多く、細かな見積もりが出にくいのが悩みどころです。今回は旅館側と調整し、一人あたりの料金を“ならし料金”で設定。部屋タイプや人数による金額差をあらかじめ均一化することで、早い段階での予算確定が可能になりました。結果として、招待範囲や料理内容の検討もスムーズに進めることができました。
館内で完結する当日の導線——130名でも“混まない”つくり

大型旅館ならではのゆとりある空間で、130名規模でもロビーやラウンジに混雑感がなく、集合や受付もスムーズに進行。ゲストが集まりはじめるころには、新郎新婦が館内で撮影を実施。広い館内を活用できたことで、ゲストと鉢合わせすることなく、落ち着いて撮影を行えたのも大きなポイントでした。
本館のコンベンションホールで和装の人前式を行い、そのまま和の趣を活かした畳の宴会場で披露宴へ。大人数が一堂に会せる広さと落ち着いた雰囲気が、この旅館を選んだ決め手のひとつとなりました。二次会では大小のカラオケルームをグループごとに利用でき、移動の負担なく深夜までゆったりと過ごせる一日となりました。
幅広い世代のゲストに喜ばれる理由
おじいちゃんおばあちゃんから小さな子どもまで、結婚式では様々なゲストが集まります。バリアフリー対応や休憩スペース、食事の内容など、年齢ごとに気を配りたいポイントが変わります。
温泉旅館なら、客室や小宴会場を控室として利用できるため、足腰の負担を感じやすい高齢の方も、授乳やおむつ替えが必要な小さな子ども連れのご家族も、安心して過ごすことができます。
お料理も、会席のボリュームを調整したりアレルギー対応、幼児食の相談がしやすく、みんなが無理なく同じ空間を楽しめます。
「どの世代のゲストにとっても、過ごしやすく心に残る時間になる」――それが温泉ウェディングが選ばれる理由です。

全国から集まる前提での事前設計
遠方ゲストが多い結婚式では、「移動のしやすさ」と「当日の過ごしやすさ」を両立できる設計が大切です。ゲストの移動手段や到着時間を事前に把握しておくことで、移動や待ち時間の負担を最小限に。
どこから来ても安心して参加できる環境づくりを意識しました。
- 招待状・会場地図に、交通手段別のアクセス(新幹線・飛行機・自動車)を明記
- チェックイン前の荷物預かりや控室・着替えスペースの確保
- ラウンジを受付・ウェルカムスペースとして活用し、混雑を防ぎながら効率的に運営
- 二次会は館内で完結(音量・時間は事前協議)
- 送迎バスは最寄り駅・空港の到着時間に合わせて手配
既存の旅館設備を活かしたスムーズな導線設計で、ゲストにも主催側にもやさしい進行を実現しました。
まとめ:“中間地点×温泉一体型”は、大人数・遠方ゲストの合理解
- アクセス多様性:新幹線・飛行機・車、どの導線からもアクセスしやすい温泉地をハブに
- 宿泊=引出物:体験型の宿泊ギフトで、世代問わずゲストに喜ばれる設計
- ならし料金:部屋タイプや人数による見積りのブレを抑え、早い段階で予算を決めやすい
- 館内完結:受付〜挙式〜会食〜二次会まで、移動を最小限にして快適な導線
- ゲスト満足度:世代ごとの様々なニーズに応えられるのも温泉ウエディングの強み
130名規模でも、山代温泉・みやびの宿 加賀百万石のような大型旅館をハブにすれば、「集まりやすく、過ごしやすい」結婚式が現実的になります。両家が遠方でも、“中間地点×温泉一体型”という選択肢は、コスパとホスピタリティの両立を叶えます。